売上高を推定する3
3.推定モデルを作る
(2.)で求めた公式の各要素に具体的な数値を入れていきます。注意すべき点は、もし時間による違いや顧客による違いがあるときは、場合分けをして考えてもよいということです。
売上の各要素は以下のように推定しました。
営業時間
食堂の営業時間は10:30~19:30でこれを4つの時間帯に分けました。
10:30~11:30:開店してからお昼時まで。早めにお昼ご飯を食べる人を除き、あまり人はいないと考えられます。
11:30~13:30:お昼時。一番混雑しているときで、ほぼ満席で座れる場所がないこともよくあります。
13:30~17:30:お昼時終わりから、夜ご飯時まで。ほとんど人はいないと考えられます。
17:30~19:30:夜ご飯時。夕食を食べる下宿生がいますが、そこまで人はいないと考えれます。
キャパシティ
食堂で働いている人に聞いたところ、450席あるとのことです。
稼働率
前述の説明から、大体図のとおりと考えました。
回転率
食堂で料理を選んで買う時間、食べる時間、友達と雑談する時間を考えると、1時間くらいと考えました。
価格
学生1人あたり平均350円使うという想定にしました。これくらいあれば、ご飯70円、みそ汁30円、おかず200円、小鉢50円くらいのランチが食べられます。
4.計算する
数値が全て出揃ったので、計算すると推定結果が求まります。まずは顧客数を求めます。
顧客数
=キャパシティ×稼働率×回転率×営業時間
=(1×450×0.3×1)+(2×450×0.9×1)+(4×450×0.1×1)+(2×450×0.3×1)
=1395
売上
=顧客1人あたりの平均価格×顧客数
=350×1395=488,250(円)
となります。
5.実際の数値と比べてみる
実際の数値と比べてみることで、自分の推定が適切であるかを判断できます。必ずしも、実際の数値と一致しなくても構いません。フェルミ推定で重要なことは、どのように答えを導いたのかというプロセスです。その場合、なぜ推定値が実際の数値と離れているのかを考えてください。
食堂のマネージャーに聞いてみたところ、1日の平均売上高は47万円くらいで42万から多いときには50万を超えるそうです。よって、今回推定された488,250円は現実と大きくかけ離れた数字ではないようです。推定値が近いということは、各要素の数値も大体合っている可能性があります。そうだとすると、食堂の稼働率というのはピークの時間帯を除くとかなり低いことが分かります。食堂の売上を上げるためには、この点を解決することが鍵となるでしょう。
